どうも、ケビン松永と申します。
新卒で大手SIerに就職し、15年間システムエンジニアとしてサラリーマンをやっておりましたが、40歳の時に思い悩んだ末に独立してフリーランスSEに転身しました。
フリーランスSE ・エンジニアの残業はどれぐらい?
フリーランスのSE・エンジニアは高収入だって言ってますけど、このブログをお読みの皆様はこんな疑問をお持ちなんじゃないでしょうか?
実際のところ、死ぬほど長時間残業させられるんじゃないの?
今回のエントリでは、そういった皆様の疑問に真正面からお答えしてまいります。
フリーランスSE ・エンジニアの残業を取り巻く環境
正直に申し上げますと、残業を取り巻く環境は参画するプロジェクトの文化によって異なります。
一定の残業を前提としたプロジェクトもありますし、定時後に定例の打ち合わせが入っているプロジェクトもあります。 逆に、正社員もフリーランスもほぼ定時で上がってしまう職場もあります。
近年、働き方改革の効果もあり、大手企業の労務環境はここ1~2年でだいぶ改善されていると感じますね。
上場企業の経営幹部は、政府の方針には敏感なので 夜10時以降の残業とか、休日出勤する場合には、かなり役職の高い人の承認が必要となり慢性的な長時間残業をしていた職場がかなり減ってきていると感じます。
最近、18時ぐらいに逆ラッシュアワーがありませんか
いや、あるはあるんですよ。 でも徐々に、慢性的な長時間残業をする職場は 多数派から少数派に転落していきてい雰囲気を感じます。
少しづつですが「早く仕事して早く帰るのが偉い」という価値観が浸透してきました
フリーランスSE ・エンジニアの契約条件
IT業界のフリーランスSE・エンジニアは、デザイナー・クリエイター・プロブロガーなどのフリーランスとは全然違って、どちらかと言えば派遣社員のような存在です。
- 月〜金で朝9時にクライアント先に出社して
- 準委任で1ヶ月仕事すると
- 翌月15日に報酬が振り込まれる
という準サラリーマンのような仕事ぶりであり、しっかり契約書を取り交わします。
そして、フリーランスSE・エンジニアがプロジェクトに参画している場合、基本的に締結される契約形態は「準委任契約」であります。
- 労働期間に対して報酬が支払われる
- 瑕疵担保責任がない
- 発注側に指揮命令権がない
この「発注側に指揮命令権がない」というのが大事なところです。 準委任契約の場合、発注者は「残業、休日出勤」に関する指示を行ってはいけないというのがオフィシャルルールなのです。 なので、発注者が残業や休日出勤を命令してしまうと
それ、実態は派遣契約なんじゃないの?
という事態になってしまうため、発注側もオフィシャルに残業や休日出勤を命令することはできません。
あくまでお互いの信頼関係に基づいて、業務の遂行するために必要があれば自発的に残業する形になります。 社員代替イメージでクライアント先に参画していても、所詮は準委任の外注さんの身分であり、社員さんも(違法になるので)あんまり無理は言えません。
契約における残業に関する事項
また、標準的な契約条件においては
- 稼働率100%あたりの月間稼働時間は140-180時間を標準とする
- ただし200時間に超える稼働が継続する場合は、体制の変更や精算について協議を行うものとする
という形で、残業時間の上限にキャップがはまることが殆どです。1人月が160時間なので上限のキャップは残業40時間ですね。
これって、正社員で無限にサービス残業している皆さまからしたら、奇跡のような条件じゃないですか?
ブラック職場の正社員のほうが残業はよっぼどヤバイ
プロパーの社員だと、どんなにプロジェクトが炎上しても逃げられませんし誰も助けてくれません。だから文字通り「死ぬまで長時間残業する」という事態が発生してしまいます。
Twitter上のインフルエンサーは「早く逃げればいいじゃん!」と煽りますが、そこにしか自分の居場所がないと考えている人は、その状況から逃げることもできません。
だから、残業に関して言えば、フリーランスの方がよっぽど守られている状況に思えます。
ちなみにケビンの残業状況はどうなの?
ふっふっふ、いま自分が参画しているプロジェクトは、リリース直前の繁忙期などを除いてほぼ定時あがりなのだ!
マジで最高すぎる。今後のキャリアの事を考えたら、どこかでプロジェクトを変えてチャレンジしていかなければとは思うけど、しばらくはこの36.5℃のお湯に浸かってゆっくりしたい。
残業が多い時はすぐにエージェント会社に相談する
正社員で働いていて、どうしても業務の都合で残業が多くなってしまった場合、どう行動すれば良いでしょうか。とりあえず上司に「すみません…残業が多いんですけど何とかなりませんか」と相談したら、どんな展開になるか想像してみてください。 前職で私が上司だった時代に、部下からそういう相談を受けた場合は
そうだよな~、大変だよな~、でもまあ、この山を切り抜ければ残業時間も減ってくると思うから頑張ろう
と適当な事を言って誤魔化してました。
しかし、これがフリーランスSE・エンジニアの場合は、様相が異なってきます。エージェントに「すみません…残業が多いんですけど何とかなりませんか」と相談すると…
そのプロジェクト人が足りてないって事だから、増員を提案してくるわ!
もし増員できたら売上増加や!教えてくれてありがとう!
という感じでちゃんと動いてくれます。彼らにとっては、さらなる人員を送り込むことが売上に繋がりますので、残業が多い場合もちゃんと提案・交渉に動いてくれるんですね。職場の上司なんかよりも全然頼りになります。
クライアント先以外の仕事も広義の意味では残業かもしれない
ただ、フリーランスのSE・エンジニアになると、クライアント先での仕事以外にも、いろんな作業があります。
- 次に参画する案件の情報収集をする
- スキルアップのための活動をする
- 請求書の作成、送付
- 経費の精算、税務など
こういった、サラリーマン時代であれば他部署の人がやっていた仕事も、これからは自分でやらなければいけません。それらも含めて「残業」と呼ぶのであればそれはそうです。
フリーランスは自営業なので、だんだんと公私の境目が曖昧になってきます。24時間365日の一挙手一投足が仕事であるとも言えるし、逆に仕事の時間だってプライベートの一部みたいなものだとも言えます。
責任を負わなければいけないのは、自分自身の人生と、クライアント先の善管注意義務だけです。 私はもともと、ITが好きだし、問題解決が好きだし、金勘定が好きです。 その事を、フリーランスに転身してからより一層感じるようになりました。
自分の会社の経理の仕訳したり、自分の給与明細作ったり、請求書を送付したり、入金された報酬を確認したり そんな作業も本当に楽しいっす。(楽しくなくなったら外注します) なので、そういう作業を「残業」と感じてしまう人は、フリーランスに転身するとちょっと大変かもしれません。
自分で仕訳をするのが大好きな代表取締役です
— ケビン松永 / フリーランスSE (@Canary_Kun) July 30, 2019
・残業文化はプロジェクトによるが働き方改革で緩和されてきている
・IT業界のフリーランスは準委任契約であるため残業は強制できない
・標準的な契約では残業条件40時間にキャップがある
・上限を超えそうな場合はエージェントが対応してくれる
・広い意味での「残業」もある
残業がやばくなる前に、タイムリーにエージェントと連携しておくのが大事です
最初の一歩を踏み出しなさい、階段全体を見る必要はない。ただ、最初の一段を登りなさい。 [マーティン・ルーサー・キングJr.]