「自閉症の子供がいるって、どういう感じ?」

寝顔

私は子供が3人居ます。上の2人は小学生、下の息子は少し離れてようやく3歳になりました。

3人目ともなると、子育てもある程度は慣れてきます。ストレスフリーの子育てなんていうモーメント作ったりして、先輩風を吹かせておりました。

言葉の遅れが気になり始めた

最初に違和感を感じていたのは、息子が一歳半検診ぐらいだったでしょうか。

普通であれば、ちらほらと言葉が出てくる頃合いですが、息子はなかなか言葉が出て来ません。

とはいえ、上の兄の時も似たようなもんだったので、「成長スピードは個人差が激しいから」とその時は大らかに構えていました。

ただ、気になっていたところは、言葉の獲得が「積み重なってる」感じがなかったところです。

ある時に「あーたん(お父さん)「はっぱ」と言えるようになったのに、しばらくするとその言葉が消失しまって、ボキャブラリーが徐々に増えて行ってる気がしない。

そんな一進一退を繰り返しながら、一年ぐらい経ったところで、地域の療育センターに連れていきました。

息子は発達障害だった

最初に療育センターに連れていってから、診断をもらうまでの詳細は端折りますが、3歳を過ぎたあたりでようやく診断が下りました。

診断名: 精神発達遅滞(知的障害)を伴う自閉症スペクトラム

自閉症とは脳機能の障害です。先天性であり、以下のような症状が出るのが特徴です。

  • 言葉の発達が遅い
  • 人と関わるのが苦手
  • こだわりが強い
  • 不測の事態が起きるとパニックに陥る

しかしながら、症状の出方や強度はその子の個性によって非常に多彩なバリエーションが多数あるため、近年では自閉傾向も含めてスペクトラムと呼ばれております。

私の息子は、人と関わるところやパニックに陥るなどの問題はないので自閉症ではないのでは?と思ってましたが、それ以外の特徴で当てはまるポイントはいくつかありました。

自閉症の子の育て方

自閉症の子は、目や耳から入ってくる情報の捉え方が健常児とは異なります。そのため、健常児を育てるのと同じ方法で、自閉症の子を教育しようとしてもうまくいきません。

自閉症の子を育てるには、自閉症の認知方法を踏まえた教育が必要になります。

コンピュータに例えると、キーボード・マイク・カメラなどの、情報の入力装置が通常と異なるという感じでしょうか。自閉症の子供を教育するには、工夫して情報をインプットしてやらなければいけません。

では、工夫して情報が入りさえすればオーケーかと言うと、そこから先は神のみぞ知る世界です。

自閉症の子供のうち、ある程度は知的障害も併発しています。コンピュータで言うなら、CPUにも障害が及んでいる状態です。

療育で工夫して情報を入れてやった結果、健常児と同じレベルに達する子供もいますし、あまり成果が出ないで発達が止まる子も居ます。

療育を始めました

私の息子が今後どうなっていくかは、まだ誰にも分かりませんが、やれる事はやろうという事で療育を始めました。

児童発達支援事業所に通い、ABAというセラピーを受けつつ、通常の幼稚園にも通っております。幸いながら、息子は言葉の問題はあるものの、今のところ楽しそうに生活を送れている模様です。

一番心配なのは本人と親の2次障害

息子が発達障害だと判明してから、発達障害に関する本を何冊か読みました。その中で繰り返し説かれていたのが2次障害を防ぐ重要性です。

本人が、発達障害の特性を持つことで、親や教師から過剰に叱られ続ける、同世代の子どもたちから仲間はずれになる、からかわれる、学校の勉強についていけなくなるなど過剰なストレスに晒され続けると、自信を失って、うつ病や自傷行為に陥る可能性があります。

また、本人だけでなく、親、特に母親のメンタル面のケアも重要です。

私の妻もそうですが、母親というのは子供との一体感が強いため、子供ができない=自分がダメという感情に直結します。発達障害の子供を持つ母親のうつ病リスクは有意に高いです。

私がこれまでに読んだ、発達障害の体験記も、ことごとく母親がメンタルになり、それが原因で離婚に至っておりました。

円満家族を自負していた我が家も他人事ではありません。少し前には安定な時期がありましたが、なんとか療育の座組みも整ってようやく持ち直してきました。今後も気を引き締めて参る所存です。

改めて幸せって何だろうね

自分が当事者になるまで、あんまり視野に入ってなかったんですけど、障害児には障害児向けの福祉が整ってます。

何としてでも普通学級に入れるんだ!と鼻息荒くして磨り減りながら療育する親御さんもおられるようですが

別に普通学級に入れなかったら人生が終わるわけではなく、特別支援学校、障害者雇用、年金など、福祉制度も整ってて、そこには人生があるわけです。

普通学級に進んだからといって幸せなわけじゃないし、特殊学級に進んだからといって不幸なわけでもない。

 

息子のことを考えていると、改めて幸せってなんだろうなと感慨にふけます。

 

まあ、息子の人生も、今後大変な時期もあるかもしれませんが、そんな時は優しい姉と兄が助けてくれる事でしょう。もちろん私も健康で長生きして、できるだけ息子を支えてやりたいと思っています。

たぶん息子は、家族が一致団結するために生まれてきてくれたんだと思います。

息子が居ない家族なんて、もう想像すらできません。

…それでタイトルの質問の答えなんですが
私が回答する前に、スペンサー君が答えてくれてましたので、ぜひ動画をご覧ください。