「お金だけじゃない!」実際にフリーランスSEになって実感するメリット7選

bruce

どうも、ケビン松永と申します。

新卒で大手SIerに就職し、15年間システムエンジニアとしてサラリーマンをやっておりましたが、40歳の時に思い悩んだ末に独立してフリーランスSEに転身しました。

システムエンジニア(SE)が独立してフリーランスになったら【いきなり年収が1000万】増えました

これまでにご紹介してきた記事の中では、フリーランスSE・エンジニアになることによって、主に「収入面でのメリットが得られる」という内容を中心にご紹介して参りました。

しかし、実際に自分自身がフリーランスになってみて実感するのは、収入面のメリットだけではありません。

もちろん、収入面のメリットは大きいのですが、それ以上に大きなメリットを日々感じております

今回の記事では、実際にフリーランスSE・エンジニアになって感じる収入以外のメリットについてご紹介いたします。

魂を込めてメリットを書いていたら6000文字ぐらいになりました。でも、最後まで読んでもらって損はさせません!という自負がありますので、ぜひお付き合いください。

【フリーランスSEのメリット1】自分の世界や価値観が広がる

従来からの日本企業は、新卒一括採用で学生を集め、一律で新人研修を施して人材を育成して参りました。出世についても一定の年次までは横並びで上にあげていきます。

そういう会社では、転職していく人は落ちこぼれ扱いですし、中途入社の人間も外様の域を出られません。新卒から一途に仕事に邁進し、辛い業務に耐えながら組織に忠信を誓った生え抜きだけが、出世を果たしていくことができます。

そういう会社で、新人の頃からサラリーマンを続けていると、社外の事をあまりよく知りません。なので、自分の知見・経験・仕事の進め方などが

「世間一般に通じるのか」
「自社内だけのガラパゴスなのか」

正直、よく分かってないので、業界標準と自社標準の見分けがつけられません。

自分の市場価値も分からない

そういう会社で暮らしていると「自分の市場価値」や「外に出たらどんなポジションがあるのか」といった事も、まったく知らないで過ごすことになります。そもそも、転職していく人は裏切り者・落ちこぼれという扱いなので、社外のポジションに興味を持つことは悪いことだという空気が蔓延しています。

そして最終的には、無意識のうちに勝手な妄想を繰り広げるように洗脳されます

世間は弱肉強食の厳しい世界だ

自分は社外に出たら通用しない

この会社から一歩でも外に出たら待遇は絶対に悪くなる

私もですね。

サラリーマンやってた頃の退職する前の日記なんかを見返すと、辞めることに関する不安・悩み・恐れが書きつづってあったりしますが、いま読み返すと笑っちゃいます。

「エクスタシーに達するのが怖い」

と言っているティーンエイジャーかよ!って感じですね。まあ、未経験のことって何でも怖いんですよね。でも1回経験してみると、あ、こんなもんかという感じになります。

転職とか独立とか、別に伝説の勇者でなくとも普通にやっている事ですし、1000人に1人ぐらいしか成功しないような難易度の高いことでもないです。

私は、専業主婦と3人の子供を抱えながら、40歳を期に新卒以来勤めていた会社を辞めてフリーランスになり、いろんな会社のいろんなプロジェクトの話を聞いて回りました。そのおかげで、今までの経験や価値観が急速にアップデートされておりまして、40歳にも関わらず自分の中でカンブリア爆発が起きております。本当に一気に世界が広がって、人生にダイナミズムが戻ってきました。

 

メリット1自分の世界や価値観が広がる

 

【フリーランスSEのメリット2】キャリアと仕事を自分で選べる

最近、時代の動くスピードが早いですよね。ビジネスの世界でも、5年前ぐらい経つともう別世界です。ガリバーのように業界を制覇していた企業もですら、5年ぐらいのタイムスケールでベンチャー企業に喰われそうになったりします。

その中でも、IT業界は技術革新のスピードが異常で、ある技術やテーマが優勢だったとしても5年もしたら、だいたい陳腐化しています。ですので、時代の荒波を乗りこなして生存確率を上げていくには

  • 今後、どのような方向性でキャリアを積んでいきたいか
  • どのようなスキルを身に着けていきたいか

ということを自分自身で考えながら、その時々で調子の良さそうな業界・企業に身を置いていくというのが良いアプローチに思えます。

でも、ご自身がそう思っていたとしても、勤めている企業が斜陽産業だったり時代のトレンドにまったくついて行けていないスピード感だったりすると、自分ではどうしようもありません。

アタマでは「新しい技術に乗っていかないと」と思ってるのに、実際の仕事は、Excel方眼紙で仕様書書いて、Javaでシステム開発して稼働後は、そのシステムの保守担当として塩漬けされてしまったり…

kevin
ケビン松永

リアルにいろいろ想像してしまって、悲しくて続きが書けません

その点、フリーランスですと、自分で自分のキャリアを考えながら、業界・ポジション・技術を選んで、文字通りキャリアを積んでいくことが可能になります。

これは、けっこう大きなメリットですよ。サラリーマンだと、自分の勤めている企業が景気の良い業界だったら良いですけど、斜陽産業になってしまったら、自分の頑張りではどうしようもないですのでね。

 

メリット2キャリアと仕事を自分で選べる

 

【フリーランスSEのメリット3】逃げ道が確保されている

サラリーマン時代、大きな組織で働くのは、自部署に新人が配属されると私はよくこんな話をしていました。

kevin
ケビン松永

上司も部下も同僚も、全員で満員電車に乗ってるようなもの。1人1人にはそんなに悪意はない。

でも、電車の曲がり方や揺れ方によっては、あるポイントに物凄い圧力がかかってしまうことがある。

だから、常に先を予測して、押し潰されないようなポジショニングが重要だよ。

そう言っていた私も、プロジェクトが炎上してしまって、押しつぶされた経験があります。正社員で働いているとですね。仕事がドン詰まっても、基本的に逃げられないんです。

現場が困っても、けっきょく援軍は来てくれないんだよな…

だから、居るメンバーで何とかするしかない

はいきました。これが、典型的なブラック職場の思考回路です。

こういう職場で逃げ道が唯一あるとすればメンタルによる休職だけなのですが、扱いとしては負傷兵なので逃亡が成功しているわけでもないんですけどね…。

その点、フリーランスSE・エンジニアの契約は2〜3ヶ月での更新です。職場の人間関係や、プロジェクト炎上などで「やめたい」と思ったら、次回契約を更新しなければ良いだけです。

これも大きなメリットですよ。

別にそれで、そのエージェントを出禁になるわけでもなく、淡々と次の案件を紹介してもらえればそれでOKです。また、次の案件の面談で前回のプロジェクトを辞めた理由なんて言う必要もなく、より良い案件を探して渡り歩いていけば良いだけなのです。

乗り込んだ電車が満員電車だったら、いったん停車駅で降車して、別の空いている路線に乗り換えれば良い。それができるのがフリーランスなのです。フリーランスは仕事が不安定と言われますが、裏返せば「逃げ道が確保されている」という大きなメリットがあるのです。

フリーランス
フリーランス

これは精神衛生的にすごく良いんです

私はずっとSIerのPMをやっていましたが、常に

雨が降っても槍が降っても、絶対に逃げずに、とにかくシステム動かすまで何でもやる

24時間365日、いつシステム障害で呼び出しがあるか分からない

というプレッシャーの中で仕事をしていました。そういった身からすると、逃げ道が確保されているという環境はたまらないです。

kevin
ケビン松永

本当にぐっすり寝られる。早朝覚醒しなくなった

 

メリット3逃げ道が確保されている

 

すぐにげる
あ、「予算ないのに全部やれ!」のパターンですね〜

 

【フリーランスSEのメリット4】仕事上の問題を嫌だと感じなくなる

正社員だろうが、フリーランスだろうが、何らかのプロジェクトに参画をしていて仕事をしていれば、うまく仕事が進まない事なんて日常茶飯事です。まあ、外部からエージェント経由で人材を雇ってる企業なんて、正社員が足りてないから人を雇ってるわけで、そんなに整った仕事なんてしてません。大体バタバタします。それはフリーランスになっても変わりません。

ただ、独立してフリーランスになると、仕事でプレッシャーを感じたりバタバタすることがあっても、その成果が全部自分に帰ってくると考えると、特に嫌な気持ちも湧いてきません。クライアント先に、課題がたくさんあるからこそ、自分の出番が回ってくる。

もし、プロジェクトにメンバーが充当していて、私が居なくてもスムーズに仕事が回っていたら、自分には今のポジションは回っていません。だからトラブルは大歓迎なのです。

サラリーマン時代は、仕事がうまく進まなかったりトラブルがあったりするとイライラしましたけど、今はそんなにイライラしません。

  • 人によって言ってる事が違う
  • 自分の責任範囲じゃないのに偉い人に怒られた

そんなことがあったとしても、クライアント先の隅っこでほくそ笑んでいられます。

kevin
ケビン松永

そんな些細なことで、これだけの報酬がもらえるんだもんな、ふふっ

以前、バラエティー番組を見ていた時に、女芸人のオアシズ大久保さんがこんな事を言ってました。

「番組内でブスって言われるのは女芸人としては美味しい」
ブスって言われるとお金の音がチャリーンと聞こえる」

フリーランスにとっての仕事上の問題というのは、大久保さんのセリフと同じです。クライアント先に問題があるからこそ、美味しい果実にありつけるんです。

だから、サラリーマン時代にストレスと感じていた問題を、独立してフリーランスになったらストレスと感じなくなりました。

 

メリット4仕事上の問題を嫌だと感じなくなる

 

【フリーランスSEのメリット5】責任を負うのは自分の人生だけ

前職ではリクルーターとかやっていたんですが、目をキラキラさせた就活中の大学生とか

 

学生
学生

社会を根底から支えるミッションクリティカルなシステムを担当したいです!

なんて言うんですね。

kevin
ケビン松永

おお!そうか!すごいな!でも、おじさんなんかは、オンライン9時〜17時のあんまり重要じゃないシステムを担当したいわ!

とは言わなかったですが、実際に24時間365日稼働しているミッションクリティカルなシステムって、それを支えてる人は、正直、マジでキツイんですよ。ハードディスクが壊れただの、夜間バッチが異常終了しただの、それこそ24時間365日、昼夜を問わずに携帯メールにメッセージがバンバン飛んできますからね。

お客様に連絡したり、保守会社に連絡したり、嫌がられながら休日夜間にSEに連絡したりしながら社会の基盤を支えていくわけなんですけど

あれ〜、ところで俺が会社と交わしている労働契約って、24時間365日の対応が求められるんだっけか〜?という感じなんですわ

大企業でシステム開発・運用をやっていると、否が応でも社会的責任を意識して仕事することになります。ミッションクリティカルなシステム、社会の基盤なんでね。誰かが支えなければならないというのは理解するんですけど

でもさー、さすがにサラリーマンの給料で、無限とも言えるぐらいの重た〜い社会的責任を追わされるのってどうなの??と感じるわけです。

正社員を退職し、独立してフリーランスになることによって、無限の社会的責任からは開放されて、自分が負わなければいけない責任は自分と家族の人生だけになりました。なんか、すっごい肩が軽いんですけど、あれ、これまでずっと100kgぐらいの子泣き爺をおんぶして仕事してたのかな…。

 

メリット5責任を負うのは自分の人生だけ

 

【フリーランスSEのメリット6】生きる力が身につく

独立してフリーランスになると、副業という概念がなくなりすべてが本業になります。稼ぐということに貪欲になってきて、良い意味で目が血走ってきます。

人生にダイナミズムが戻ってくる。

「漫然と生きていたら食いっぱぐれる」という良い意味での危機感がありますから、時代の流れや自分の身の振り方なども深く考えるようになります。また、人脈や知名度も生命線になってくるので、今までは無関心だった情報発信やコミュニティ活動にも興味が湧いてきます。

その結果として、サラリーマン時代とは比較にならないぐらいの「生きる力」が身についてきます。

新卒で就職した会社で、漫然とサラリーマンを続けている人は、その会社の経営が傾いてしまうと、その時点で人生の一大事を迎えてしまいます。いきなり「住宅ローンが払っていけない」「子供の学費が払えない」となって人生設計にも大きく影響が出てしまいます。1本打法だと、それが崩れた時のダメージがデカイです。

独立してフリーランスで、普段から良い危機感を持って生きていれば、少し想定外の事があったとしても、落ち着いて対処ができます。

逆説的ですが、立ち止まっていては不安定であり、高速で回転するコマだけがジャイロ効果が働いて安定するのです。

 

メリット6生きる力が身につく

 

【フリーランスSEのメリット7】将来の不安がなくなる

個人的には、これが最大のメリットです。

えっと思いませんか?

フリーランスはいつ仕事がなくなるか分からないから、将来は不安じゃないの?

ちょっと矛盾してない?

と思いますよね。ところが違うんです。世界中のベストセラーであり、自己啓発書の金字塔でもあるデール・カーネギーの「道は開ける」は、こんな第1章はで始まっています。

今日、一日の区切りで生きよ

昨日のことは忘れよう。明日のことに思い悩むな。

サー・ウィリアムは、学生たちにこう語った。

「君たちは、大型客船よりはるかに長い航海を行くのです。”今日だけを見て生きる”ため、人生を安全に航海するため、人生のコントロール法を学んでください。過ぎ去った昨日という過去と、まだ生まれれぬ明日を、鉄のドアで遮断するのです。

「それで、君たちは心安らかで入られます。今日という日を安心して生きられるのです。明日と昨日の重荷が今日にのしかかれば、誰でもよろめいてしまいます。未来とは今日のことなのです。明日などありません。船首と船尾の隔壁を下ろし、”今日だけを見て生きる”習慣を育んでください。

新約聖書にはこんな一節もあります。

「だから明日のことを思いわずらうな。明日のことは明日自身が思いわずらうであろう。一日の苦労はその日一日だけで十分である。

(新約聖書「マタイによる福音書」第6章34節)

これらの賢人が言っていることは「今日だけを享楽的に生きろ」ということではありません。

「今から布団に入るまでの間、今日という一日に集中して精一杯生きなさい」
「そういう一日を積み重ねていくことで人生が充実していく」

という事を仰っております。

この考え方は、そんなに珍しいものではなくて、だいたいの自己啓発書には、似たような考えが書いてありますね。

 

我らが、松岡修造先生も

一所懸命(一つの所に命を懸ける) という言葉を座右の銘として、過去と未来を忘れて、今この場面に集中するんだ!ということを頻繁に説かれております。

フリーランスで生きるというのは、まさに一所懸命を身をもって実行していくことに他ならないんです。  

  • 今の案件に集中して実績を出す
  • それらの実績の積み重ねが次の仕事を生んでいく

という良いサイクルを生んでいくこと。ちょっと不思議なではありますが“今”に集中できると将来の不安がなくなるのです。直近のことに集中していると、サラリーマンで働いている時よりも、漠然とした将来の不安が消えていきます。

似た話ですが、先日読んだこちらの本でも面白い仮説を挙げておりました。

  • 人類が農耕民族になったのは、たかだか2万年ほど前のこと
  • 狩猟民族だった時代の方が断然長いため、遺伝子は狩猟民族の特徴を強く残している
  • 狩猟民族にとっての「不安」とは、外敵や毒など目の前の危機を察知するためのアラーム
  • 遠い未来の不確実性については、そもそもプログラムが対応していないため「不安」アラームが誤作動する

感覚的に、なんとなく理解できませんか?「宵越しの金は持たない」という感じで、その日暮らしをしている人の方が、なぜか将来の不安を持たずに活き活きと過ごしていられるのは、背景にそういうカラクリがあるのかもしれません。

 

メリット7将来の不安がなくなる

 

フリーランスSEになって実感するメリットまとめ

メリット1:自分の世界や価値観が広がる

メリット2:キャリアと仕事を自分で選べる

メリット3:逃げ道が確保されている

メリット4:仕事上の問題を嫌だと感じなくなる

メリット5:責任を負うのは自分の人生だけ

メリット6:生きる力が身につく

メリット7:将来の不安がなくなる

厚生労働省のページにも「フリーランス白書」というものが出てるんですけど、今年 1 月には、働き方改革の一環で厚生労働省によりモデル就業規則の改定案が公表されています。

2018年は「副業元年」と言われ、大企業から中小企業まで副業解禁する企業が次々と現れているため、すきま時間で副業をする副業系フリーランスは今後ますます増えていくと考えられます。

アメリカは労働者人口の1/3ぐらいがフリーランスなので、日本もますますフリーランス機運が高まっていくのは間違いないです。ぶっちゃけ、国も企業も終身雇用で面倒見るのはそろそろ無理なんで、自力で何とか頑張ってくれってことですな。

 

jordan

やれるかどうか悩むよりも、まず自分自身に期待せよ – マイケル・ジョーダン –