自己紹介
どうも、ケビン松永と申します!
こちらの記事では、いたって普通のサラリーマンだった中間管理職の私が、どのような経緯でフリーランスシステムエンジニア(SE)に転身することになったのかという事を赤裸々にご紹介いたします。
会社勤めのシステムエンジニア(SE)を退職してフリーランスに転身した経緯
会社勤めのエンジニアとしての限界を感じた
私は新卒で大手SIerに就職し、15年間システムエンジニアとしてサラリーマンをやっておりました。
サラリーマン時代の最終職位は課長相当職でした。敢えて課長”相当職”と言っているのは、同じ課に課長級の人間が複数名いたからです。
自分で言うのも何ですが、私は順調に出世を重ねている方で、同期の中でも出世レースの最前線におりました。私は順調にいけば、あと1年ぐらいで副部長に昇格するぐらいのポジションにおりました。
2年ほど前に、規模が非常に大きな国家プロジェクトに参画しまして、システムエンジニア(SE)としての仕事は大変ながらもプロジェクトとしては最終的に成功を納めました。
しかし最近になって、その時に一緒に苦楽をともにしたエンジニア達が、地方の炎上プロジェクトにブンブン飛ばされているのを社内の異動通知で目の当たりにします。
あれだけ頑張ったエンジニア達に、この仕打ちか…
この頃から、私は会社勤めのエンジニアであることの限界を日増しに感じるようになりました。
このまま会社勤めのシステムエンジニアとしてを続けていたら、いずれ自分も同じような運命かもしれない。
そんな危機感もあり、何とか独立してスモールビジネスの一人親方としてやっていけないものかという気持ちが根底に芽生えて行きました。
独立を模索するも断念
まず最初に考えたのは、企業研修の講師でした。
知人にも何人か、一人親方で企業研修の講師をやってる方がおりまして、自分も会社のツテをうまく使って、インハウスの企業研修所で講師をやらせてもらったりできないか。
会社でもワークショップのような事をしてましたし、それなりにコンテンツも持っているので、研修講師の道を模索してみました。
しかし、ヒアリングを重ねてみると、なかなか研修講師の世界も厳しそうです。そこそこ競争も激しく、営業活動で劣勢に立ってしまうと食って行くのもやっとだとのこと。そうか、アカンか…。
次に考えたのは、今と同じ仕事をしつつ、正社員ではなくて会社から業務委託を引き受けられないかという事でした。しかし、これも全く現実的ではありません。そもそも大会社は、個人の会社と取引できる口座を作ってくれません。
そんな具合で、私の独立に関する模索はいったん断念することになりました。
フリーランスシステムエンジニア(SE)という道があるという事を知る
ひょんなきっかけはTwitterを見ている時でした。
とあるフリーランスのコンサルさんのツイートを見ていて、あれ?フリーランスのシステムエンジニア(SE)って案件があるのかなと思って
- フリーランス
- システムエンジニア
- 案件
- エージェント
というキーワードで検索をしてみました。すると、そこには自分の見たことがない景色が開けていました。
ええーー、そんな簡単な仕事で月額報酬100万円!?
そこから、フリーランスのシステムエンジニア(SE)の事情を検索しまくりました。業者っぽいページだけだと信用ならないので、クチコミ・体験談・5chの書き込みなどもくまなくチェックしました。
5chにはエージェント会社について「釣り案件が多い」「営業がクソ」などのワードが踊っている会社もありました。
もう少し自分で調べてみようと思い、評判が良さそうな数社のエージェントに登録してみました。
どこのエージェントも、登録はびっくりするぐらい簡単にできるようになっていますが、登録するとすぐさま電話が掛かってきます。業務履歴書を送って面談に来てくれれば、Webで公開していない非公開案件も紹介できるとのこと。
スピード感に圧倒されましたが、非公開案件など詳しい話を聞いてみたいので、頑張って業務履歴書を書いてメールで送付し、面談の予約をしました。
面談では、これまでの業務履歴を説明し、今は会社勤めのシステムエンジニア(SE)だが、今後フリーランスでやっていけるかどうか可能性を模索しているところだとお伝えしました。
ケビンさんの経歴であれば、フリーランスのシステムエンジニア(SE)になっても余裕です。仕事はいくらでもあります。これまでの素晴らしいエンジニア経験をお金に替えましょう。
エージェントに、月額報酬の希望を聞かれたので「とりあえず月100万もらえれば、現職のエンジニア収入と同等レベル以上にはなる」と伝えたところ、ケビンさんの経歴であれば、もっと全然いけるので安売りしないほうがいいとアドバイスされました。
悩んだ末にフリーランスシステムエンジニア(SE)への転身を決断
数社のエージェントと面談をしてみて、真剣にフリーランスシステムエンジニア(SE)への転身を検討してみました。
どうやら実際に仕事はありそうです。ただし、エンドユーザーもエージェント1社に声掛けをしているわけではないため、案件が決まるかどうかは流動的な様子です。
また、エージェントの営業も多数の案件を掛け持ちでやっているため、営業さんとのやりとりがうまくいかない事に業を煮やした若人が「営業がクソ」「釣り案件ばかり」と5chに書き込んでいるのかなと思われました。
エージェントにもらった情報で収支計算をしてみました。
- 月額100万:現在と同等の収入 ← ここは確保できそう
- 月額130万:正部長と同等の収入
- 月額150万:本部長と同等の収入
- 月額170万:役員級と同等の収入
もちろん、退職金などが異なりますから単純な比較はできません。しかし、この不確実な時代に、不確実な出世と不確実な退職金を期待するよりは、働き盛りの自分のスキルをマネタイズしておく方が確実にも見えます。
エージェントの「経験をお金に替えましょう」という言葉が思い出され、最終的に私はフリーランスシステムエンジニア(SE)への転身を決断しました。
退職の調整
自分の中で心は決まりました。フリーランスシステムエンジニア(SE)の第1目標は、ひとまず現職と同じ水準の収入を得ること。
自分で仕事が選べて、収入が変わらなかったら大成功です。頑張ってチャレンジしてみて、いやーフリーランスシステムエンジニア(SE)も厳しいな〜というと感じたら転職に切り替えればいいじゃないか。
でもやっぱり怖かった。だって、専業主婦と幼い三人の子供を抱えているわけですから。当時の日記にはこんな記述があります。
とにかく怖い。「食えなくなったらどうしよう」「家賃・学費が払えなくなったらどうしよう」という恐怖がある
それでも私は決断しました。
脳がちぎれるぐらい事前に検討して
それから、いったん検討結果を全部忘れて
そうして深呼吸してから、お腹に力を入れて果敢に飛び込むというのが、自分の決断方法です。
— ケビン松永 (@Canary_Kun) December 4, 2018
いつからフリーランスシステムエンジニア(SE)になるか
その当時、私は開発プロジェクトのPMをやっておりましたので、いつ退職するかについても相当悩みました。
本番稼働は約1年半後なので、無事に本番を迎えてからにするか…。
だけど仕事の終わりが見えてくると、次の仕事はオーバーラップしてくるよな
じゃあ今年度末でどうか
うーん、でも辞める心が決まっているのに、その6ヶ月に意味があるかな
いろいろと考えた末、最終的には3ヶ月後に退職する事に決めました。職場向けには家庭の事情をデフォルメして、稼働率をコントロールする仕事していく必要があるという退職理由を創作しました。
今回、仕事辞める時に、どのタイミングだったら一番周りに迷惑かけずに辞められるかなって考えたんですよ。
一生懸命うんうん唸って考えたけど、そもそも良いタイミングなんてなかった。
仕事の切れ目を作らないように、新しい仕事取って来るんだから当たり前なんですけどね。
— ケビン松永 (@Canary_Kun) August 13, 2018
フリーランスシステムエンジニア(SE)として最初の案件が決まるまで
退職するにあたって有給が1ヶ月ほど余ってましたので、最後の1ヶ月は有給消化期間とさせてもらって、その期間を使って情報収集も兼ねてかなりの数の面談をこなしました。
序盤戦は、登録したエージェント全てから案件を紹介してもらってましたが、多方面から電話とメールが集中するのもなかなか大変であるため、途中からBTCエージェントとハイパフォーマーコンサルタント(INTLOOP)の2社に絞りました。
案件はたくさんあるものの、やはり最初の参画案件が決まるまでは不安でした。久しぶりに就活の頃の不安感を思い出しましたね。
そして最終的にハイパフォーマーコンサルタント(INTLOOP)に紹介してもらった、某有名インターネット関連企業のグループ会社の案件に参画する事になります。
私の選り好みに粘り強く対応してくれ、人生におけるエポックメイキングとなる案件を紹介して下さった、INTLOOP社の取締役H氏とジョブコーディネーターのMさんには本当に感謝しております。
現在参画しているフリーランスシステムエンジニア(SE)の契約条件
- 月額報酬170万円+消費税(13.6万円)
- 電車での通勤時間は13分
- 稼働時間は140〜200時間の範囲
収入の水準としてはサラリーマン時代の役員級と同等の水準でありながら、仕事の内容としてはぶっちゃけ主任級ぐらいの仕事ですね。
なんかいろいろと物思いにふけってしまいます…。前職のみんな元気かな…。
今の職場では、フリーランスはまったく珍しい存在ではなくて、同じ職場に当たり前のようにたくさんいます。むしろ社員の方が少ない状況です。
そして過去を振り返ってみると、適切な決断のタイミングだったと感じます。仮にあのタイミングで、フリーランスシステムエンジニア(SE)への転身を1年半後に設定したとしても、良いことは一つもなかったでしょう。42歳で部長職となると、ますます身動きが取れなくなっていた気がします。
一度は真剣にフリーランスをするべき
これまで日本国内の情報システム開発を一手に担っていた国内のSIerは、どんどん厳しい状況に追い込まれきております。いい仕事をするとか、品質が良いとかの問題ではありません。競争相手が世界中に広がっているんです。市場環境の問題です。防戦一方の負け戦が始まってしまっているのです。
悲しいかな世の中
- 収入≠スキル
- 収入≠仕事の質
- 収入≠頑張り
ですのでね…。
収入にもっとも直接的に効いてくるのは、金回りの良い場所に居るかどうかと言う事です。
もちろん、スキルや仕事の質も収入に関連する要素ですけど、お金が回っていない場所では、収入には一切反映されません。どんなに質の良い仕事してたって、お客さんがお金を持っていない業界で働いていたら、残念ですけど自分に支払われる給料だって上がりません。
このまま漫然と今のポジションで仕事を続けていたら、時代の荒波に襲われた時に、人生が時代に流されて終わってしまいます。そんな時代の荒波を生き残っていくためには、柔軟に自分のポジションを動かしながら時代の潮流に乗っていくことが重要です。
そのための一つのオプションとして、フリーランスシステムエンジニア(SE)という道があるのです。
IT業界で仕事をしているシステムエンジニアは全員、真剣に今後の身の振り方は考えておいて損はないと思います。
転職とかフリーランスとか実際に実行するかどうかは、慎重に判断すべきですが、それでも検討は早目にしておいた方が良いと思いますよ。満員電車から一斉に出口に人が向かうと、身動き取れなくて一気に詰みますからね。
こちらのブログでは、私自身の体験談なども踏まえて、リアルで地に足の着いたフリーランスシステムエンジニア(SE)について発信してまいります。
これまでも、会社を辞めてフリーランスになりました的なブログ記事は私もよく目にしてましたが、そういった記事の多くは、勢いある若手が新卒数年で大企業に見切りを付けてやったぜ!という論調が主であったと思います。
私のように
- 専業主婦と3人を子供を抱え
- お堅い大手企業の管理職が
- 慎重に熟考を重ねた上で会社を退職し
独立してフリーランスシステムエンジニア(SE)になったような事例は、ネット上では珍しい情報かと思います。私と同じく、ITまで業界で奮闘している皆さまの人生設計の一助になれば幸いです。
・変化の激しいIT業界では時代の潮流に乗っていくことが重要
・IT業界の人はフリーランスという道も1度は検討しておくべき
・フリーランスシステムエンジニア(SE)向けの案件も多数あり決して少数派ではない
・経験をお金に換金することができる
人間は、行動した後悔より、行動しなかった後悔の方が深く残る。
-トーマス・ギロビッチ(ドイツの心理学者)-