どうも、ケビン松永と申します。
新卒で大手SIerに就職し、15年間システムエンジニアとしてサラリーマンをやっておりましたが、40歳の時に思い悩んだ末に独立してフリーランスSEに転身しました。
今日はツイッターで友人であり、今をときめくインフルエンサーのアフロさんから
・フリーランスとして独立して仕事をしていくのがいいのか?
・独立して仕事をするならどういう時期がいいのか?
という相談をもらいましたので、詳しい事情を聴いて参りました。
アフロ
マーケティング領域のインフルエンサー / フォロワー数5000人 / 起業&事業売却 / 現在は外資系企業にマネージャーとして週2勤務しながら、各領域のプロを集めたWEBコンサルティングチームを運営
アフロさんが怒涛の勢いでバズってて、たぶん3ヶ月ぐらい経ったら軽くフォロワー抜かれてて
半年ぐらい経った頃には
「いま飲んでるからケビン今から来い」って深夜に電話掛けてきて行ったら、ぜんぜん知らないグループの前で、いきなり一発芸やらされるのかもしれない
— ケビン松永 (@Canary_Kun) May 11, 2019
相談のきっかけ
ケビンさんこんにちは。今日はよろしくお願いします。
簡単に自己紹介をお願いできますか?
私は年齢は30代で、既婚、3人の子持ちです。仕事は外資系の会社でECのマネージャーをやっています。
ただ、副業OKの会社なので、企業案件を個人で案件を引き受けてそちらでも収入を得ています。
企業案件は具体的にどういうことをやってるんですか?
WEBの集客に関する案件が多いです。メディアの運営・広告の運用・サイト制作などを引き受けています。
すごいですね。そういう案件ってどうやって獲得しているんですか?
Facebookを経由した知人の紹介やTwitterから案件の依頼を頂くことが多いです。
あとは、『アフログ』というWEBコンサルメディアをやっていまして、そこからお問い合わせ頂くこともあります。
よくお見かけします。社会人一年目の時のお話の記事、すごい反響でしたね。
お恥ずかしい限りです。ありがとうございます。
それで、今フリーランスとして独立することを考えていらっしゃると?
はい。既に今の会社とは週2の業務委託契約にしてもらっていて、現時点で半分フリーランスみたいな状態なんです。
ただ、このまま独立しようと思っていたのですが、今回他社さんから良い転職のオファーを頂いたので改めて悩んでいる次第です。
なるほどなるほど。
自分も子供が3人いますので、やはりフリーランスとしての独立となると色々と不安もあります。
ただ、個人で企業から仕事の案件を受ける中で、フリーランスとしての可能性も感じています。
- 会社員とフリーランスのどちらが良いのか
- フリーランスになるなら、いつどういう時期がいいのか
そのあたりのテーマについて、改めてケビンさんにお話を伺いながら、相談させて頂きたいです。
かしこまり
そもそもなぜフリーランスで働く人が増えているのか?
会社員とフリーランスのどちらが良いかを議論していく上で、なぜフリーランスで働く人が増えているのかという背景についてまず話しますね。
こちらは松井博さんという方が書いたnoteなのですが、流動化する時代の背景流れを見事に言語化されておりました
社会の粒がより細かくなった
さて、この「一世帯あたりの人数が減った」とことを別の言い方で表現すると、社会を成す最小単位である世帯の粒が、より細かいものになったと言えそうです。コーヒー豆やお茶っぱも細かく砕いて粒状にすると、引っ掛かりが減ってサラサラと流動性が高まりますが、社会もまた、世帯の粒がより細かくなることで、流動性が高まります。
つまり、仕事も暮らしも、お一人様か夫婦二人だけで営んでいく時代が、それほど遠くない将来やってくるのです。会社が共同体としての機能を失うのは、もうそれほど遠い先ではないでしょう。
テクノロジーの進化によって便利になり、選択肢が増え、娯楽も発達すると、集団に依存せずとも生きていけるようになります。
個人の力が強くなると、集団意識は薄れ、「個人」としての意識が強くなっていきます。
いまは結婚しない人も多いし、転職とかも当たり前ですもんね。
さらに仕事に焦点を当てて説明すると、最近はクラウドやビデオチャットのおかげで場所や時間にとらわれない働き方が可能になっています。
会社に頼らずとも、個人で働く環境を簡単に用意できるようになっているわけです。
どんどん便利になって簡単に個人で仕事ができるようになっていることが、フリーランス人口の拡大につながっていることはよくわかります。
そうなると企業にとっても人材を「所有しないで利用する」方が合理的なわけです。
いろんな分野でシェアエコノミーやサブスクリプションが伸びているわけですが、人材という商品についても同じ流れが押し寄せてきている。
なるほどです。労働力人口のフリーランス化は、企業にとって人材を「所有」から「利用」し、産業全体で「シェア」する流れに変わっていると。
たしかに今は時代の変化が激しすぎて、中期経営計画とか意味なくなってますし、そうなると計画的に人材を採用するのも難しいですよね。
でも、「雇用」を「所有」という見方は新鮮でした。すごく腹落ちします。
・社会の流動化が進み、「個」が強くなってきている
・企業側も人材を「所有」から「利用に」シフトしてきている
フリーランスか会社員かは働くスタイルの問題。まずは仕事ありき
フリーランスになれる仕事とは?
今までのお話を踏まえると、今後もフリーランスは増えていきそうですね。
そうなると、早めにフリーランスになってポジションをとった方がいいのでしょうか?
私は、フリーランスになることを考えたり目指したりする上で、まずその人の仕事内容が大事だと思っています。
どういうことですか?
フリーランスになるかどうかを考える上で一番大切なのは、そもそもフリーランス向けの仕事の供給が安定的にあるのかってことで
例えばですけど、電車の運転手さんが「俺もフリーランスなりたいなー」と考えたとして
- 新卒から小田急で15年やってきたけど
- これからは独立フリーランスで、数年ごとに会社を渡り歩きたい
- まずは東急、次にメトロとキャリアを積んでいきたいし
- 英語も勉強してるんで、最終期にはNY地下鉄とかグローバルに活躍したい
みたいなキャリアを思い描いても無理ですよね
無理だ…
だから、自分の属している業界がフリーランス向きかどうかということがまず重要だと思うんです。
幸い、私が属しているシステム開発の業界は、20年以上前から個人事業主向けの仕事が安定的にあるんですよね。
うらやましいです。
アフロさんのお仕事の領域はどうなんですか?
WEB業界は意外とフリーランス化していない?
そこが微妙なところなんですよね。
と言うと?
WEB業界はフリーランス化が進んでいるように見えますが、実は開発・制作サイドがそうなだけで、ビジネスやマーケティング側は意外と進んでいません。
エンジニアとデザイナー以外でフリーランス化が進んでいるのは、ライターぐらいだと思います。
ほう。意外ですね。
ビジネスは内部の人間じゃないと難しい部分が多いし、マーケティングに関しては日本では代理店が強いので、フリーランス化が進んでいないんだと思います。
ただ、知り合いや紹介経由で個人に仕事を依頼するカルチャーはあるので、そういったクローズドなマーケットは存在するんです。
しかし、エンジニアのように、エージェント会社や仲介サイトがあって、オープンなマーケットに仕事が安定供給されているという状況ではありません。
ふむふむ。たしかに見かけないですね。
最近ようやくマーケティング側も、フリーランス案件のオープンマーケット立ち上がり始めましたけど、案件数的にはプログラマーの5%ぐらいだと思います。
それはちょっと難しいですね。
オープンマーケットも徐々に立ち上がるとは思うのですが、もう少し時間がかかりそうです。
ブログやSNSで企業からの依頼は獲得できる?
アフロさんはブログやSNSで仕事を獲得できるから、オープンマーケットがなくても、フリーランスとして独立できそうな気もするんですけどねー。
ありがとうございます。それは自分の強みなので、これからもがんばっていきます。
ただ、客観的に見ると、いつでもエージェントに行けば案件があるエンジニアに比べると、個人のチャネルでの仕事の獲得はやはり不定期だと感じるんですよね。
それ自体は、WEB経由でも知人経由でも変わらないと思っていて、それを理解した上でどう決断しようかなというところです。
ちなみに今、個人で獲得した企業からの仕事でどれぐらい稼いでるんですか?
だいたい月100万円ぐらいの粗利がベースであります。あとは単発のサイト制作などが数10万ぐらいある感じです。
粗利というのは、「売上-外注費」で自分に残る金額ですね。
けっこう稼いでんな 笑 この前のウルフギャング代を返してもらえませんか
今は営業活動がうまくいっていて、安定的に仕事を獲得できています。でも、先ほどもお話したようにいつ途切れるかわからないので、どう評価するか難しいですね。
月の粗利が300万円を突破したあたりから、不安もなくなるのかなと想像しています。
・フリーランス向けの仕事の供給が安定的にある業界か
・仕事や案件を紹介してくれるエージェント会社やサイトがあって、オープンなマーケットとなっているか
フリーランスとして独立するのに理想のタイミング
マネージャー経験はフリーランスでは身につけるのが難しい
「仕事の安定供給」以外に、フリーランスを考える上で重要なポイントはありますか?
どういうタイミングでフリーランスになるのが理想なんでしょう?
私は常々「フリーランスだとマネージャー経験を積むのが難しいよなー」と思ってます
でも、大きな案件ほど「組織の力学」を理解して動くことや、「情報の整理力」「調整能力」みたいなものが、純粋な技術力よりも重要になってて、それって組織のマネージャーとして働いた経験から得られるスキルなんですよね。
それはマーケティング業界も同じですね。
そうですよね。そして、予算や関わる人数の規模が大きい案件ほど、フィーも当然良いわけなので、
年齢と言うよりは、ある程度のマネージャー経験を積んでからフリーランスになる方が、大きくマネタイズできるのかなーと感じてますね。
20代でフリーランスになるリスク
今の日本は給料が上がっていないし年功序列の文化も強いので、年収が500万円以下の若者が多くいます。
一方で、フリーランスのエンジニアになれば月収50万円程度は保証されるので、最近志望する20代の若者が増えているようです。
これについてはどう思いますか?
たしかに一部のインフルエンサーが
- プログラミングを身につけてフリーランスになろう
- 月収50万円は稼げる
- 会社に依存しなくていい
という発信をし、それに影響される若者が増えています。
でも、私はこの考え方は、半分だけしか同意できません。
その半分が気になりますね 笑
たしかに、20代でフリーランスなって月収50万円稼ぐってそんなに難しくはないと思うんですよね。
でも、30代で月収100万円、40代月収150万円とステップアップしていけるかと思うと、ちょっとその道筋は不透明です。
20代で従来の働き方に捉われずに、フリーランスとか、海外に住んでリモートワークとか、ヒャッハー!って、やってみると割と行けると思うんですが
そこからキャリアアップ・収入アップしながら、30代・40代とコマを進めていくのが大変なのかもなーと感じております https://t.co/055R1MWW18
— ケビン松永 (@Canary_Kun) July 1, 2019
フリーランスになると収入やスキルを上げていくのが中々難しいのが現実ですので、フリーランスでは得られないスキル・経験・肩書きを積んでから、高いフィーの仕事を獲得できる状態になってから、フリーランスになるのが良いかと思います。
フリーランスというとなんとなく若者のイメージがありますが、実は30代中盤でフリーランスになるのが王道でしょうね。
・フリーランスだとマネージャー経験を積むのが難しい
・30代中盤でフリーランスになるのが王道
改めて会社員とフリーランスはどちらが良い?
まあフリーランスは色々と不安もあるわけですが、ケビンさんは今、会社員とフリーランスのどちらが良いと感じますか?
実際のところ、サラリーマン時代よりもはるかに稼げるようになったけど、不安がなくなったわけではありません。
でも、だからこそ精力的に動けるようになった気がします。
ケビンさんは40代と思えないほど、フットワーク軽いなあと思います。
まあ、良い意味で危機感を感じて目が血走ってきましたねw。自分にとっては、もはや本業も副業もないわけで、全てが本業です。
不安があるからこそ精力的に動いて、その結果として収入や資産も伸びるし、生きる実感を感じております。
たぶん「仕上がりたい」と言いながら、ヒーコラ言ってる時が一番幸せなんだと思う
— ケビン松永 (@Canary_Kun) January 17, 2019
自分も不安だからこそ、必死に仕事を獲得して、クライアントに対して成果を出すことにコミットして、気づいたら収入が増えていっています。
「収入が増えてきても不安がある」というのはネガティブに捉えられがちですが、実はポジティブなんじゃないかと感じています。
御意
うーん・・・ケビンさん。
はい。
なんか私、イケる気がしてきました。転職のオファー蹴って、このまま独立します!!
え?え?
お話を聞いて、ポジティブな不安に駆られて全力疾走した方がより遠くに行ける気がしました!!
ベースはできていますし、このままフリーランスとして独立して突っ走ります!!
まじか
今日はお忙しい中ありがとうございました!!
ちょっまっ
・危機感をポジティブに捉えて行動に繋げる
・生き延びるのが本業。副業という概念はなくなる