完全SIer脱出マニュアルを読んでみた
こちらの書籍は商業出版ではなく、同人誌として発行されているものです。
サークル初参加の技術書典5で頒布した『完全SIer脱出マニュアル』が計800部売れたので、当日の様子と合わせて経緯をブログに書きました!幸せすぎて泣きそう。
" #完全SIer脱出マニュアル が #技術書典 5から1週間で800部も売れて心底驚いている – #がみぶろ "https://t.co/eTlqnObScB— gami@『完全SIer脱出マニュアル』商業版発売中! (@jumpei_ikegami) October 14, 2018
現役エンジニア2人がパーソナリティーを務めている、「SIerのSEからweb系エンジニアに転職したんだが楽しくて仕方がないラジオ」 略して「しがないラジオ」というPodcastがありまして、この電子書籍はそこでの話題を100ページ程のPDFにまとめたものになります。
ここまでリアルな話がサクッと読めてしまうのは素晴らしい
前半の目次部分から抜粋です。
第1章 なぜ「エンジニア」は SIer を去るのか
- 1.1 SIerの「エンジニア」の一日
- 1.2 なぜミスマッチが起こるか?
1.3 こんなはずではなかった
第2章 自分や環境を変えるための前提知識
- 2.1 楽しくて仕方がない「仕事」というのが、この世の中には実在する
- 2.2 「成⻑」をするほど、楽しい仕事に近づける
- 2.3 「IT企業」を理解するための5つの軸
- 2.4「ベンチャー企業」は怖くない
- 2.5「エンジニア」の活躍方法はプログラミングだけじゃない
2.6 「転職」をすることは、悪いことではない
第3章 完全 SIer 脱出マニュアル
- 3.1 ステップ 0: 精神を病みそうな場合は、いますぐ会社を辞める
- 3.2 ステップ1: 1人でできるインプットとアウトプット
- 3.3 ステップ2: 社外の人の話を聞きにいく
- 3.4 ステップ3: 会社にいながら自分の環境を変えられないか試みる
- 3.5 ステップ4: 転職活動で語れる実績を作る
- 3.6 ステップ5: 転職を見据えた会社選びをする
- 3.7 ステップ6: 採用選考を受けて内定を得る
- 3.8 ステップ7: 内定が出た会社の中から、転職先を選ぶ
「 SIerの「エンジニア」の一日」を読んでいて全オレが泣いた
私が SIer で「パッケージ開発」をしていた頃の、ある一日の仕事を紹介します。もちろん会社や現場によって開発のやり方は異なりますが、一例として掲載します。
・8:40 出社
– SIer の朝は早い・8:45 メールチェック
– 社内の非同期コミュニケーションのほとんどは、メールで行われます
– チャットツールも全社導入されていますが、マネージャーは誰も使っていません・9:00 Excel で設計書の修正
– 担当する仕様変更の設計書(Excel)が前日の会議レビューを通ったので、指摘事項を修正します・10:00 ソースコードの修正
– バッチ処理に関する文言修正だったので、COBOL で該当箇所を書き換えます
– Git は使えないので、VSS というバージョン管理ツールで修正をチェックインします12:00 昼食
– 社員食堂で上司やトレーナーと一緒にランチをします13:00 手動テストの実施
– 次のリリースが近いため、テスト要員として駆り出されます
– 自動テストは無いので、テスト仕様書(Excel)に沿って手動で画面操作をします
– 操作の結果は、Excel にスクリーンショットを貼って保存していきます18:00 紙納品のために設計書を印刷
– 顧客から設計書の紙納品を頼まれたので、大量の Excel 設計書を 1 つずつ開いて印刷します
– 印刷した紙は、綺麗にファイリングして段ボールに詰めていきます
– ちなみに、この設計書が顧客に読まれることは無いそうです20:00 帰宅
完全SIer脱出マニュアルを読んだ感想
タイトルで言うほど内容は煽ってはいなくて、けっこう堅実にエンジニアのキャリアを考えている良書だと感じました。心にビシビシくるセンテンスもたくさんありました。
- 「仕事というのはつまらない」というのは別に当たり前ではない
- 「エンジニア」の活躍方法はプログラミングだけじゃない
- 楽しく働くための一番強力な手段が、「やりたいことができる場所に転職すること」
- 社外の人の話を聞きにいく。いまの職場をフェアに評価するためには、外の世界についてリアルな体験として知る必要がある
完全SIer脱出マニュアルは1000円で買えます
同人PDFなのでAmazonでは買えませんが、Boothで買えます。(購入にはPixivのアカウントが必要です)
SIerでエンジニアやってるなら、これは読んでおいて損はないと思います。しがないラジオでもフリーランスエンジニアの方を招いての回もあったようですね。最近、徐々にフリーランスエンジニアも増えてきてます。