第3話「こんな仕事は嫌だ!」置かれた場所で咲きなさいという無理ゲー

自分の仕事は選べない

企業のサラリーマンは、あんまり自分の仕事を選べません。基本的には、組織の都合で部署に配属され、仕事を割り当てられます。

配属時や、キャリア面談などの場では、いちおう希望は聞いてもらえます。ずーっと希望を言い続けていれば、やがて上司の記憶に残り、社内異動マーケットの中で、タイミング良くトレードが成立することもなくはない。

でも、基本的には組織の都合です

なので、あまり自分のワガママは言わずに
仕事は選ぶな、選ばれろ」というマインドが情勢されています。

逆に、目の前の仕事にベストを尽くさずに
自分の希望ばっかり言っている人がいると煙たがられます。

まあ、そうですよね。私も部下にそういう人が居るとやりづらいです。ただ幸い、私の周囲にはそういう人は少なかった。

私も含めて、そこらへんは新人の頃からしっかり教育を受けて飼いならされていると思われます

 

食べる前から明らかに毒まんじゅう

自分が引き受ける前から

「明らかに無理じゃないですか」
「負け戦が確定しているじゃないですか」

みたいな仕事を任される場合もあります。

見ただけで、毒まんじゅうって分かるのに
いいから食え」って言われるんです。

毒まんじゅう
毒なの分かってるのに食べたくない

そういう仕事はですね、
だいたい最初は飲み会の席とか、タバコ部屋みたいなところで、冗談交じりに感触を探られます。

「よろしく頼むよw」
「いやー僕は無理ですよ〜w」

とか言いながら、お互い目は笑ってません。

でもやっぱり、最後は上司と部下の関係ですから、仕事としてアサインされたら断りきれない

 

ダチョウ倶楽部の「どうぞどうぞ」みたいな感じで
毒まんじゅうの仕事でも、引き受けざるを得ないのです

自律神経壊れました

自分も、すでに炎上しているプロジェクトの火消しを頼まれたことがあります。

最初はのらりくらりとかわしていたんですが、どうしても他に人員が見つからずに

「分かりました」
「骨は拾ってください」

と言い残して、猛火の中に突っ込んでいきました。

もう最初からね、お客さんが猛烈に怒ってるんです。

「お前が今度の責任者か」と会議室に軟禁状態になります。

それで、朝イチから8時間とか打ち合わせコーナーで詰められるじゃないですか。それで段々と正常な判断能力が失われて

「もう帰りたい」
「何でも約束しますんで、ここから開放して欲しい」

としか考えられなくなる。

「ああ、こうやって人は高額なラッセンの絵画とか買わされるんだな」とか思いながら、プロジェクトルームに帰ります。

過労
取り調べかよ…

 

もう本格的に夜です。プロジェクトメンバーは、抜け殻みたいになりながら、自分の帰りを待っています。

そこから、明日の朝までにやることになった、お客さんからの宿題をメンバーに割り振ります。そうして今日も夜が更けていく・・・・。

 

・・・最前線で武勇を奮いつつ、総司令官もやるなんて俺は三国志の孫堅じゃねーんだぞ!

 

とか言いながらも、しばらくは昼夜休日問わずに、アドレナリン全開にして無双してたんですよ。獅子奮迅のようにプロジェクトを駆け回っていた

しかしながら、徐々に体調が優れなくなってきて、最終的に自律神経がおかしくなって不眠になりました。体がシャットダウンしなくなってもうた…。

故障したパソコン
なんかシャットダウンしません…

それでも、まだ行けるか?と思えるぐらいではあったんですが

本格的にメンタルが不調になると、どんなに休んでも・薬飲んでも回復しなくなってしまうという危機感はあったので、自分から産業医に診断書を書いてもらって途中リタイアしました。

その時は、自分なりにすごく悩んで自信も失いました。結局、炎上は治められなかったし、途中離脱してプロジェクトメンバーにも迷惑を掛けることになってしまった。

しかし、今になって振り返ってみると、あれは自分の人生を左右する英断だったなと感じます。サラリーマン生活で初めて、自分の意思で仕事を取捨選択をした場面だったかもしれません

人生の岐路
人生の岐路だった

限界ラインは振り返ってみて初めて分かる

過労でやばそうな人を見かけると、自分はこんな事をよく言っています。

「まだ限界じゃない。まだいけるって思いますけどね」
限界ラインは踏み越えた瞬間は分からないんです
梅雨明けみたいなもんですよ。後になってみて、あの時に梅雨明けてましたって

 

ジェンガって積み木のゲームがあるじゃないですか。下から1本抜いて、上に重ねていくバランスゲームです。

 

だんだんとグラグラしてきて、最後の1本を載せた時にガシャーンと崩れる。

あれって、どこが限界ラインを超えた瞬間だと思いますか?

正直、自分は良くわからないです。ただ、最後の1本では無いとは感じます。最後の1本はトリガーを引いただけで、もっと前から限界ラインは既に突破していたんだろうなと…。

ですので、自分で限界が近いなと思ったら、再起不能になる前にちょっと早めに飛び降りて、不時着することが寛容だと考えるタイプの薄毛です

まあ組織ですので

戦場は選べない。退却時期も選べない。戦略も選べない。戦術ぐらいなら選べますが、あんまり裁量はないです。

自分が、会社を退職して独立すると決意した理由のうち

「自分で仕事を取捨選択したい」
「自分で稼働率を決められるようになりたい」

という要素はけっこう大きな割合を占めています。お金の問題よりも、こちらの方が理由としては大きいです。

なぜなら、運悪く無能な上司や経営陣がリーダーになってしまった時に、その泥舟を飛び降りる自由を持っていないというのは本当に怖いから。自分と家族の人生が、時代の荒波に巻き込まれるてコントロール不能に陥ってしまいます。

そのような考えのもとで、企業を退職して独立してやっていこうと決意した次第です。

船のアイコン
自分で船をコントロールしたかった

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第4話 共働きと転勤は両立できる?

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