年功序列が残る処遇制度
私が勤めていたのは、日本を代表するメーカー系のコングロマリットでした。社外の人には
「御社は大きいから、給料の方もさぞかし良いんでしょ?」
なんて言われたりもしましたが、実際はとんでもございません…。
会社が大きい
↓
人が多い
↓
給料はそんなに多くできない
といった構図です。パレートの法則(8:2の法則)みたいに、少数の稼ぎ頭が、多数の無能を養っている、ある意味では互助会のようなイメージでしょうか。
また、前職は年功序列と成果主義のハイブリッドの処遇制度を採用しておりまして
昇進するにあたっては、年齢に一定程度の考慮がなされておりました。
年齢は絶対条件ではなく、あくまで目安の情報なのですが、それでも人事部から示されると相応の威力があります。
そのため、出世コースに乗っている人材であっても 上のグレードに昇格するのには、事実上の年齢要件を満たす必要がありました。
これが大手企業の給料表だ!
では、こちらの給料表をご覧下さい。
役職 | 最速での出世 | 年収レンジ | 組織の売上規模 |
---|---|---|---|
平社員 | − | 300-500万 | − |
主任 | 30歳 | 500-700万 | − |
課長補佐 | 33歳 | 700-900万 | − |
課長級 | 35歳 | 900-1100万 | 10億程度 |
部長級 | 40歳 | 1200-1400万 | 50億程度 |
本部長級 | 47歳 | 1500-1800万 | 200億程度 |
平役員 | 50歳 | 2000万程度 | 1000億以上 |
常務クラス | 53歳 | 2500-3000万程度 | 5000億以上 |
副社長 | 55歳 | 5000万-1億 | − |
社長 | 57歳 | 1億-1億5000万 | − |
これは最短ルートで出世階段を駆け上って場合です。全員が全員、この年齢でこの年収ではありませんのでご注意下さい!
年収については、自分の実績、人から聞いた話、公開情報からの類推が含まれますので、正確性についてはご容赦ください。 そんなに的は外してない筈です。
さて皆さんは、この給料表を見てどんな第1印象を持ったでしょうか。
出世が遅い
私が、もっとも不満に思っていたところは、出世が遅いというところです。
特に、30代、40代の働き盛りの役職と年収の伸び方が遅いと感じてました。
自分は40歳なんですが、同レベルは違えども一部上場企業で執行役員やってたりする年齢です。
それに比較すると…たとえ出世コースに乗ってたとしても、俺はこれでいいのかと、やっぱりちょっと萎えます。
年収は低い?高い?
まあ、そんなにビックリするほど年収は低くないですよ。、でも、こんなに社会的責任の重い会社で 役員級になっても、年収2000万円かーとも思うんです。
この会社は、お客様にご奉公するのが仕事なので、地震が来ても、西日本が豪雨で水没しても、24時間体制で呼び出し食らって対策会議なのですよ…。
それだけハンズオンで、仕事に人生捧げるなら、もうちょっともらっても良いんじゃないかと思うんです…。
ちょっとここで、以前話題になった 日本エスリード社のリクナビ広告を見てみましょうか。
日本エスリード「年収1000万円なんかに憧れるな。俺ら4人の年収合わせて8000万円超。」 http://t.co/UsJwyAXmmN
— 全力2階建 (@kabumatome) February 22, 2014
1000万円稼ぐ。それが、入社当時の目標でした。学生からしたらとんでもない数字でしょ。でも、入社2年目に大台に到達して分かったんです。1000万円なんて、大したことないってことが。 〜中略〜 こんなんじゃ全然足りないってことに気づいて、もっと上を目指すようになったんです。3年目には2000万円。4年目の今年は3000万円に届く見込みです。 〜中略〜 でも、やっぱこんなんじゃ、満足できない。だから、来年は4000万円を目指します。
もう一度、給料表いきますね
役職 | 最速での出世 | 年収レンジ | 組織の売上規模 |
---|---|---|---|
課長級 | 35歳 | 900-1100万 | 10億程度 |
部長級 | 40歳 | 1200-1400万 | 50億程度 |
本部長級 | 47歳 | 1500-1800万 | 200億程度 |
平役員 | 50歳 | 2000万程度 | 1000億以上 |
……前回に引き続き、ディスプレイの前で、全オレが泣いています。。
結局ですね
雇われの身である以上、決められた給料表テーブルの枠組みからは出られないんです。
どんなに稼ごうが、どんなに社会的責任が重かろうが、アップサイドは給料表に既定されてしまう。
多くの人は、その事は分かっていて、だけど現実を見つめるのも辛いから、家族を支えなければいけないとか、社会的責任があるからとか、いろんな理由で自分を納得させながら生きています。
しかし自分は、都合の悪い現実から目をそらさずに 現実を直視する理想主義者であり続けたかった。。
そうして、思い悩んだ末に、定められた給料表の枠組みから飛び出る決意をした次第です。