手前味噌で恐縮ですが、私、ケビン松永は仕事をするのがけっこう速いです。20代の頃から、仕事のスピードにこだわってきて仕事をしてきました。
朝から猛スピードで仕事をして、夕方頃からクールダウンに入って、17時ぐらいには翌日の仕事の準備をして、そいじゃって帰るのが私の理想です。
それで、世の中の仕事術的な記事や書籍などは、片っ端から読んで自分の仕事で実践して結果、20代の頃に比べたら仕事のスピードは3倍(※)ぐらいになった気がします。
※個人の感想です。効果には個人差があります
そんなわけで今回のエントリでは、私がこれまで身につけてきた、仕事を効率化してスピードを上げていくテクニックをご紹介します。
「このエントリさえ読めば、仕事術の書籍など読む必要はない」と自信を持って言えるほど、重要なポイントをコンパクトにまとめてお送りします。
計画的に仕事を進める
1. ToDoリストを持つ
最初に自分がやるべき事をToDoとしてリスト化しましょう。残念ですけど、これが出来ない人は仕事を早く終わらせるとか絶対にムリなんで、もう諦めてマイペースで仕事をして、仕事以外の人生を楽しみましょう。
2. 一日のスケジュールを決める
一日の仕事を始める前に、当日に実施する作業を決めて、大まかな時間を割り振りましょう。もし可能なら、スケジューラを30分単位で埋めてしまいます。スケジューラが空いていると、何かとカットインが入りやすいので、自分一人の作業でもスケジューラを埋めます。
3. 管理する時間を確保する
自分自身の仕事時間のうち、最低でも5-10%はやることを管理する時間に充てましょう。もし、10時間働くのであれば最低でも30分はToDoをメンテしたりして、何をどんな順番でやるのかを見返しましょう。
ToDoをメンテするのは、朝に10分、昼に10分、仕事終わりに10分など、分割して割り当てるのでも構いません。
4. 緊急でないけど重要な事の優先順位を上げる
仕事時間のうち、10-20%ぐらいは直近の仕事ではなくて、未来の改善のための作業に充てたいところです。バタバタしていてそれどころじゃないのは分かるんですけど、それでも直近のことだけやっていて、未来の改善に取り組まないと、未来永劫バタバタしてしまいます。
【ケビン松永の一口コラム】
マネージャー研修なんかに行くと、緊急度と重要度との2軸で切った図を見せられて、コンサルタントの講師に「どこが一番優先的に取り組むべきところでしょうか」なんて聞かれます。
受講者はだいたい「緊急かつ重要なこと」の象限を指差すんですけど、そうすると講師に「だから皆さんは忙しくてバタバタしてるんですよ!」とドヤ顔されて腹が立ちます。
…正解は「緊急でないけど重要なこと」です。上で言っていた、急ぎではない未来の改善のような事です。ここは意識的に優先順位を高めないと、日々の繁忙で埋もれてしまいます。
5. 優先順位を決めてから実作業に移ること
仕事を始める前に、優先順位を決めてから実作業を始めましょう。特に、他人に依頼する仕事があれば、その人の作業時間も考慮に入れて、一番最初に取り組む必要があります。
他人に仕事を振っておいて、その間に自分の仕事をシコシコこなしていくというのは、チームで仕事をする上での基本中の基本です。
6. リマインダを徹底活用する
グループウェアやスマートフォンのリマインダなどを活用しましょう。いつ、何を自分に思い出させるかを計画段階で決めておいて、事前にセットしておきます。頭の中で薄れゆく記憶と戦うことのは、ストレスが多くて不毛な戦いです。誰が薄毛だって?
7. 仕事を早く始める
身も蓋もない話しですが、仕事を早く終わらせる一番のコツは、仕事を早く始めることです。
1日のうち、自分が一番コントロールできる時間は朝です。日中に色々と発生する突発的な事情のしわ寄せは、全部夜に来ます。
フレックスで10:30ぐらいに出社して、パソコンに「折返し電話お願いします」みたいな付せんが3つぐらい貼ってある状態から一日の仕事をスタートさせてる人は、もう30手ぐらい後手に回っている。
【ケビン松永の一口コラム】
仕事を早く始める事のもう一つの効果として「やる気が出てくる」という事が挙げられます。
✕)やる気が出る→仕事にとりかかる
◯)仕事にとりかかる→作業が進む→やる気が出てくる— よーかん (@kan_yokota) 2015年5月24日
偉大なるよーかん先生の教えが説いているように、やる気とは原因ではなく結果です。
やる気がない→仕事が進まない という因果関係ではなく
仕事が進んでない→(結果的に)やる気が出ない というのが真実です。
なので、仕事をほんの少しでも早く前に進めると、そのおかげでやる気が出てきて好循環に入れます。
仕事の心得
8. 最初に期限を決める
自分のやる、ひとつひとつの作業にも小さい締切を設けましょう。「人は期限から逆算してモノを考える」というような研究結果もあるとか。どんなに夏休みが長くても、最終週にならないと宿題に手を付けられないのは人間の性です。
9. 合格点を見極める
物事、0点の状態を80点に上げていくのと、80点を99点に引き上げるのには同じぐらい時間がかかったりします。過剰品質はスピード仕事術からすると天敵ですので、人から作業を依頼されたら、まず合格点がどのレベルなのかを最初に確認しましょう。
9. イチから始めない
その問題は本当に、世界で初めてあなたが悩んでいる問題なのでしょうか?自分が直面している問題は、まず間違いなく過去に誰かが類似の問題に取り組んでいると思った方が良いです。どんなにデキる人でも、1から何かを作ると、時間は掛かるし品質だって低い。
なので、可能な限り何事もイチから仕事を始めずに、過去のノウハウを入手することから始めましょう。
10. イチから文章を書かない
文章を一から書こうと白紙に向かってしまうのもいけません。どんなにデキる人が書いても、白紙から書いた文章の完成度は低いです。できるだけ、レビュー済みの過去の資料を組合せて文章を作成し、最後の手直しに注力しましょう。
11. 人に依頼する時は期限を明確に
人に仕事を依頼するときは、目的・優先度・期限を明確にします。「時間がある時にお願いします」のような依頼はNGです。基本的に人は暇ではありません。
皆さんも勤務中「時間がある時」だって、Twitterやるのに忙しいですよね?
12. 報・連・相のタイミング
どういうタイミングで報告・連絡・相談をして欲しいのかは、その人によってけっこう違いいます。なので、関係者とはどういうタイミングで報・連・相をしたら良いか事前に合意できてるといいです。
悩んでいるときは早めに相談するのはもちろんですけど、上手く行っている時にも簡単に進捗報告しておくと、関係者が不要なストレスを抱えずに安心することができます。
仕事の進め方
13. メモや図を活用する
人とコミュニケーションをするときも、できるだけメモや図を用いて話し、口頭での空中戦は避けましょう。作成したメモや図を育てていき、最終的な資料として纏めていくと効率的です。口頭での空中戦で認識違いがあって、手戻り発生するのは本当に時間のロスです。
14. ホワイトボードを活用する
上記と関連しますが、口頭での空中戦は時間がかかり、かつ認識違いによる手戻りが起こりやすいので、ホワイトボードを有効活用しましょう。うまく使えば、そのまま写真を撮って議事メモ代わりに利用できます。
15. 定量的に議論をする
ざっくりで構わないので、仕事はできるだけ定量的に話をしましょう。数字がないと、だいたい話が無限大に発散して、思考停止に陥ることが多いです。
16. 10分以上熟考するな
何かについて、真剣に10分間熟考してみて答えが出なかったら、たぶん10時間考えてみても答えが出ないでしょう。おそらく、答えを出すための情報が足りてません。判断に必要な情報を入手するとか、答えを出せそうな人の意見を聞くとか、別のアプローチを取りましょう。
真剣に仕事をしているなら、誰かに意見を聞くことについて躊躇する必要はありません。
17. ぜんぶ保存しておく
自分の仕事の過程、思いついた事、作った資料etc、とにかく自分の仕事に関することはノートや電子ファイルで記録してぜんぶ保存しておきましょう。メールやワークファイルもすべて保存しておく。
記憶は一瞬にして雪の結晶のように消え去ります。 後になって何が必要となるかは、今の自分には分かりません。
18. スキマ時間をうまく使う
5分ぐらいの空いたスキマ時間でやれる仕事をリスト化しておきましょう。(整理整頓する、経費精算する、勤怠を入力する、回覧を廻すなど)
昼食前の5分間に、Yahoo!ニュースで芸能ニュースを見るか否かで、早く帰れるかどうかが決まってきます。
打ち合わせ
19. レジュメと時間配分を準備しておく
打ち合わせをする際には、メモ帳レベルで良いのでレジュメと簡単な時間配分を準備してから始めましょう。何を決めるかを明確にして開始して、目的を達成したら即座に解散します。
20. 打ち切ることを恐れるな
打ち合わせをするにあたって、あまりに事前準備が不足している場合は、早々に見切りをつけていったん打ち切りましょう。何の情報が足りていないのかを明確にし、調査担当・再開時間を明確にして解散します。仮定に仮定を重ねて長々と会議を行っていても意義が薄いです。
21. 早く決断する
会議では、拙速を恐れずに早く決断をします。1時間の打ち合わせが、30分で目的を達成できたなら、残りの30分を雑談で埋める必要はありません。
【ケビン松永の一口コラム】
「決断する」「決断させる」ためのコツ
(1)リスクのない決断はないと知る
A案かB案か保留か、判断が即座に行えると仕事のスピードは飛躍的にアップします。これにはトレーニングが必要です。アスリートが筋肉をつけるのと同じように、何度も決める事を繰り返して決める“筋肉”を心につけていく必要があります。
気をつけなければいけないのは、リスクのない決断はないと認識することです。全ての情報を調査・吟味してからでないと判断できないというスタンスは現実世界では役に立ちません。
【決断の仕方、させ方】
- A案、B案のメリット・最悪のケースを考える
- 最悪のケースの後処理は誰だったら許容できるかを考える
(上司、顧客、同僚、協力会社etc) - A案、B案のよい方を選択し、決断に至った理由の論理立てと
裏目に出た場合の影響を整理する(アカウンタビリティー) - 最悪のケースに転んだ場合に後処理を依頼する人に、判断について説明する(報告、承認、合議、仁義を切る・・・)
(2) 組織の決断となるよう定められたプロセスを踏む
アカウンタビリティー(説明責任)を果たすには、定められたプロセスを踏むことが重要です。
(3)デシジョンメイカーが誰なのか意識する
自分以外の人が決断する問題の場合は、デシジョンメイカー向けに情報を整理する必要があります。誰がどんな情報を元に決断するのかを明確化することで、悩む時間を削減できます。デシジョンメイカーも、誰かに対して説明責任を果たす必要があります。
22. 定例会を設ける
チームのコミュニケーションが上手く行っていない場合は、短時間も良いので定例会を設けましょう。(朝会、昼会、夕会、週次会など)
人を集める、会議室の確保というのは、その都度だと調整するだけでも工数がかかります。
でも、必要なくなったら定例会を止めるという判断も必要です。
資料作成
23. アウトラインでいったん確認する
資料を作る場合は、まず全体のアウトラインを作成し、 20%ぐらいの進捗でいったん方向性の確認をします。最後まで作り終えてから、レビューなどで基本的な方向性にNGが出てしまうと大きな手戻りとなるからです。
24. 設計工程と製造工程を分離する
資料を作成する場合は、意識して「頭を動かす作業」と「手を動かす作業」を分けましょう。考えながら資料を作っていると、作成途中で考えが変わってきて、資料の最初と最後でストーリーの一貫性を失っている事があります。
25. 頭を動かす作業の時はパソコンから離れる
作業を計画する、資料のストーリーを考える、資料をチェックするなどなど、頭を動かす作業の時は、できればパソコンを離れて紙やノートに向かったほうが良いです。パソコンに向かうのは「考えた結果を資料化するために手を動かす時」のみにしましょう。
26. 資料の見直しは翌朝にする
作成した資料は自分で見直しますが、作成後に何度も見直すより、翌朝に1回しっかりと確認したほうが効率が良いです。資料を客観的に見ること事ができて、単純ミスも含めていろいろ気がつきやすいです。
27. 第三者にも見直し依頼をする
作成した資料は、できれば第三者にも軽く見てもらって、フィードバックをもらいましょう。自分は理解できるけど、人には分かりづらい資料や表現となっていないか確認することで、手戻りを防止します。
PC関連
28. デスクトップを整理する
デスクトップは定期的に整理して、必要な情報にすばやくアクセスできるようにしておきましょう。1階層目は大まかなグルーピングのフォルダ、2階層目は[yyyymmdd_案件名]というように、時系列にフォルダを作って管理するのが個人的には管理しやすいです。
29. ショートカットを作成する
ファイルサーバの階層構造は深いですし、レスポンスも遅いので、よくアクセスするフォルダには必ずショートカットを作成しておきましょう。
毎回、トップレベルからチクチクと辿ってたりしませんか? そういうとこやぞ!
30. 辞書登録をする
人名、地名、部署名、ローカル用語など、変換しづらい単語などは、IMEに辞書登録して一発変換しましょう。
【ケビン松永の一口コラム】
単語だけでなく、定型文を辞書登録すると、メールを書くのが超絶速くなります。
おせ:お世話になっております。
けび:ケビン松永です。
おつ:お疲れ様です。
あり:ありがとうございます。
おて:お手数おかけして申し訳ありませんが
よろ:よろしくお願いします。
じゅげ:じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょの…
私はホームポジションの「f(エフ)」に社員番号を割り当てていて、社内システムにログインする際には「f(エフ)」で社員番号を一発変換で出していました。これは本当に使えるので、ぜひ試してみて下さい。
さて、今回のエントリはいかがでしたでしょうか?
こちらに記載したものは、すべてケビン松永が実際に行ってみて、効果を実感しているものばかりです。
正直に申し上げると、これを読んだだけでは、貴方の仕事は1秒も速くなっていません。
ですので、まずは1つでも2つでも良いので、良さそうだなと思ったテクニックを、ご自身の仕事に取り入れて見て下さい。
また、職場の若手に「とりあえずこのエントリ読んどけ!」とURLを乱暴に転送してもらえたりすると、著者としてこの上ない幸せでございます。
今回は、コメント欄を開放しますので、ご意見・ご感想を残してもらえると嬉しいです。
「自分はこんな事を実践している!」など、実用的なテクニックをご教示頂けたら、エントリに追記して参ります。
(ご指摘頂きましたが、全部で31個あります…)
— ケビン松永 (@Canary_Kun) November 2, 2018